2015年4月19日日曜日

何故携帯電話の電磁波は頭を経由して基地局へ放射されるのか

 携帯電話はチップアンテナと称する1mm角程の小さなアンテナを使って、電磁波を全方向に放射します。スマートフォンのチップアンテナは電話器の下側の隅に近いところに2個有ります。この位置は、SuicaやPasumoなどのコイルアンテナと、カメラなどの邪魔にならない場所だからでしょう。このチップアンテナから出た電磁波は、電話器に密着している使用者の頭を通り道としてなぜ選ぶか、考えましょう。
 人間の頭は誘電率が約40(注1)と大きいので電磁波を引きつけ、その上に頭の周囲長の55~60cmが携帯電話帯の電磁波の波長の約30cmの倍数と合うため、電磁波はここを通り道にして出て行きます。それでも、携帯電話を持っている手も誘電率が頭と同じか、それ以上だから手を経由しないか、の疑問が生まれます。電磁波の伝播シミュレーションをしなければ正確なことは分りませんが、手は指と指の間が離れ、手の平は薄く、いずれも波長に比べて非常に小さいので実効誘電率は頭に比べて低く、さらに電話器との距離は頭の方が近い。従って、頭に向かって電磁波の多くが出てゆくだろうと言えます。
 頭を経由することで電話器から基地局までの電磁波の伝わる経路がスムースになるので、電話器の通信特性が良くなります。なお、ガラケーでもスマートフォンでもキャリア(携帯電話会社)が同じなら、今のところ通話しているときの周波数は同じで、頭を通り抜ける電磁波の強度は同じ程度です。しかし、800mWに達することもある電磁波の大半が頭を経由して放射されるわけで、これは注意を要する電力です。

注1:総務大臣向けの情報通信審議会による諮問代118号への一部答申 人体側頭部の側で使用する携帯電話端末等に対する比吸収率の測定方法 より

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