2016年7月28日木曜日

DNAの損傷とがん、そして発達障害



(DNAの損傷とは)
 放射線や携帯電話の電磁波が出すフリーラジカルで、DNAは損傷します。しかし、もともと人間の細胞は、一つあたり1日に最大50万回のDNA損傷を受け、損傷しても修復します。ただし、この細胞を修復する機能は加齢で低下しますし、放射線や電磁波(電波)によるDNA損傷の量が修復する能力を超えると、損傷を修復できなくなります。また、損傷を受けた時がたまたま細胞分裂中で、細胞の損傷をチェック し修復するタイミングをすり抜けてしまう場合も損傷が残ります。
 お腹の中の赤ちゃんは細胞の数が少なく、特に妊娠初期は一つ一つの細胞が将来の臓器や機能を作る運命を担っています。人間のDNAの中で遺伝情報を 持っているのは1~5%で、残りの95%はジャンクDNAと言われています。95%の全部がジャンクか否かはまだ研究中のようですが、それでもDNAの多くは損傷を受けても遺伝子領域ではないので影響が無いようです。しかし、1~5%の部分の損傷が修復されずに残ると、その細胞は死ぬかあるいは損傷が次の細胞に引き継 がれて、先天奇形や癌の原因となります。

(
細胞の損傷修復機能について)
 放射線はそれほど怖くない、と言う説が有ります。例えば良くあるラジウム温泉。これは微量のラジウムを含む鉱泉のお風呂に入ることです。身体は電磁波 (電波)である放射線を浴びて身体の中にフリーラジカルが多量に発生します。身体の防衛機能は抗酸化物質を作り出してこれに対抗します。攻撃よりも防衛の 方が手厚ければ、発生したフリーラジカルを抑えた上に、余った抗酸化力で細胞の酸化という老化作用を一時的に食い止めることになるでしょう。これをホルミシス効果と呼びます。しかし、人間 の身体は刺激に対してだんだんと鈍感になり、防御機能はサボるようになります。
 被曝する放射線の総量は同じ、と言う条件で、放射線の刺激が定常的に起こるのと、短い期間に大量の放射線を浴びるがその後は休むことを繰り返す場合、前者は放射線の強度が強い地域に住むことや、内部被曝をしてしまった場合。後者は放射線科のお医者さんなどの例です。前者は防御機能がだんだんと弱まり、後者の防御機能は毎回回復して以前の被曝の経験が残りません。携帯電話と放射線のフリーラジカルは同じものです。従って、定常的に携帯電話を身近に置くことは、遺伝子損傷に対する身体の防御機能を低下させることになるかもしれません。

(
妊娠中の細胞の損傷)
ホルミシス効果は、胎児や乳幼児には全く当てはまりません。もともとの細胞数が少ないので、それぞれの細胞がになう重要度が大きいこと。もし細胞が癌化すると、これから先の長い期間に癌の芽を育てて発症させる時間が充分に有ること。身体の持つ細胞修復や抗酸化作用にも抜けが有ってDNA損傷を見逃すかも知れないこと。などから、妊婦さんや小児は放射線と同じ働きを持つ携帯電話には充分に注意をしてください。妊婦や小児に放射線を浴びせるレントゲン検査を制限することは、100年以上前からおこなわれており、ベルゴニー・トリボンドーの法則と呼ばれています。ただし、ラジウムやラドン温泉の放射線量はごくごくわずかで、自然放射線に比べても数倍ですから、気にしないでも大丈夫です。

(
発達障害の疫学調査)
 最近のデンマークでの2回にわたる1万3千人と2万9千人に対する、妊娠中から小児が7歳に達するまでの疫学調査では、妊娠中から出産後も携帯電話を母子共に使う場合、全く使わない場合に比べて小児の行動障害、すなわち発達障害の確率が2倍になる、との結果が出ています。問題は、基準となるは発達障害の発症数が、約2.5%であることです。つまり、携帯電話を使わない元の環境では小児の40人に一人が発達症害を発症、携帯電話の使用によってさらに40人に一人発達障害確率が加わります。
 脳腫瘍や小児がんの発症確率が1万人に数名であることに比べ、100名に数名という大きな差が有るのは、全く違う機序で起こる障害だからです。すなわち、がんや脳腫瘍はDNAの損傷が原因だが、前に述べた修復機能が有るのでこの確率で済んでいる。ところが発達障害は、修復機能を備えていない脳神経系の成長過程が障害を受けているので、発症率が大幅に増えると言えるのではないでしょうか。発達障害の原因として、電磁波以外に環境ホルモンや化学物質、あるいはこれらの重複、などの説も有ります。いずれにせよ、胎児から小児の環境条件に起因する発達障害は、社会環境の変化で生まれました。妊娠から小学校2年生まで、気を付けなければいけません

2016年7月16日土曜日

電磁波対策方法についての具体的な解説(その2)



【はじめに】
2016年7月8日のブログには電磁波対策についてその1として、医学的エビデンスや、具体的な障害や気にすべき周波数を書きました。この続きとして、今回は数MHz以下の低周波用と800MHz以上の携帯電話の超高周波用のエプロンについてお伝えします。これ等の中間の周波数帯には、放送局や工業用電磁加熱炉、長距離無線局、などの強力な電磁波源が有りますが、電磁波による人体への影響についての医学的なエビデンスは有りません。波長的に身体にエネルギーを与えることができないのではないかと思います。電磁波過敏症の患者さんもこの中間の周波数帯では感じないようです。

本論に入る前に電磁波について説明します。電磁波は交流の磁界と電界が相互に連携して空間を伝搬します。従って両方を考えなければいけないのですが、数MHzの低周波の場合は波長が100m以上なので、1m程度の局部的であれば電磁波を磁界成分だけで扱い、電界を無視することが可能です。しかし、GHz以上になれば、1mでは波が3つ以上入るので、両方を考慮します。


【低周波帯の電磁波について】
一般家庭での低周波電磁波源は、まず50、60Hzの商用交流で、30V/mの電界と、0.05μT程度の磁界です。この電磁界は、天井や壁の電気配線から出ているので、家庭内はどこでもこの程度です。ちなみに、ICNIRPのこの周波数での磁界の規制値は200μTですから、1万分の1以下の磁界です。
この周波数での電磁波源は、暖房用の電気毛布・カーペットです。長時間体を密着させて使うのは、お進めしません。長時間の0.4μTを超える磁界は、小児白血病や小児がんなどの原因となるため、国内メーカーは自主的に磁界対策をした発熱線を使って、発生磁界を大幅に減らしています。安価な輸入品はこの様な対策がされていないのではないかと危惧しています。
これより大きな数MHzまでの周波数、PC用やTVの液晶ディスプレーからの磁界は、ディスプレーから5cmでは、0.12μT、PC本体からは5cmの距離で0.25μTに達します。しかし、30cm離れれば共に0.05μTにまで減り、身体の電磁波被曝量は環境のバックグラウンド値まで下がります。つまり、昔のCRTのような危険はありません。
家庭内にはこの周波数帯の電磁波を出す家電製品が沢山有ります。まず蛍光灯、LED電球の中のスイッチングレギュレータ、などは数kHzの電磁波を頭のそばで出します。PCだけでなく、ディスプレーなどの周辺機、電話機やFax,無線LAN、など全てのICを使う電子機器にもスイッチングレギュレータが使われています。これ等の小電力機器は、ICを駆動する電源の電圧が5Vで、小さな電力でも電流は大きいので、作る磁界も大きくなります。

オスのハツカネズミの実験では、長時間の50Hzの低周波磁界の被曝で精巣のなかの精子が無くなってすっからかんになります。精子は弱いのです。イラストは女性ですが、女性の場合だってお腹の上で使うのは止めた方がよさそうです。
これ等のスイッチングレギュレータあるいはACアダプターの出す磁界と同じ周波数で、パワーの有るのが、家電製品のインバーターです。洗濯機、冷蔵庫、エアコン室外機などはいずれも50HzのAC100Vを、数kHzのパルスに変換してモーターの回転数と出力を制御します。ICNIRPは周波数が高いと磁界の規制値を小さくしており、同じ磁界でもインバーターの周波数の磁界は身体への影響が増えます。
電子レンジは電圧変換でインバーターを使います。電子レンジは庫内で2.5GHzのUHF帯の電磁波を使いますが、この周波数は電波法に従って強力に規制され、十分に遮蔽されて外に出ません。もし出ると、無線LANや電話機、などの家庭内の通信機器が使えなくなるでしょう。従って、電子レンジで問題になるのは冷蔵庫と同じインバーターの出す低周波の磁界です。IH調理器も電圧変換でインバーターを使い、加えて、調理用の数kHzの磁界も出しますが、詳しくは2016年2月10日のブログをご覧ください。

【低周波帯LFで使うエプロン】

 人間が影響を受ける数MHz以下の磁界で影響を受けるのは、頭と上半身、それに妊婦は下半身もです。
数MHzまでの磁界から人体を遮蔽するには、比透磁率が500以上の鉄などの材料で頭を含めた体の前半分を遮蔽する必要が有ります。後ろを向くことが有れば、後ろ側も回り込んだ遮蔽が必要で、西洋の鎧を着ることになります様なものです。
ちなみに、比透磁率がほぼ1のスズ、あるいは銅やアルミなどの金属をコーティングした繊維で作った布製のエプロンでは、100kHz~数MHzの磁界は防げません。ブラウン管ディスプレーの磁界対策として、1990年代に鉄粉を含んだゴムで作った、重いエプロンが市販されたことがありましたが、この種類の材料でなければ効果が有りません。これであれば、現在のIH調理器からの漏洩磁界にも使えます。首から膝の下までと側面から背中まで回りこんだ構造で、理論的には正解に近い形状ですが、重くて仕事の邪魔でした。効果を測定しないと分かりませんが、ディスプレーに正対している時にこのエプロンを着用していれば、上半身の被曝をかなり防いだでしょう。妊婦さんのおなかの被曝をふせぐことと、身体の老化対策にはなりました。しかし、頭部は遮蔽していなかったので、うつや神経症への対策にはならず、効果は胴体に限られていたでしょう。
低周波磁界は、前回のボロボロの白内障マウスの動物実験で老化を加速していることが明らかです。幸いなことに、最近の液晶ディスプレーの出す磁界は環境値程度で、エプロンは不要です。老化防止にはエプロンなどを使わずに、IH調理器や電気毛布やカーペットなどの出す磁界から遠ざかることと、老化を防ぐ食事や生活が対策と言えます。IH調理器は、接している時間は短いは漏れ出る磁界が強いので、何か必要です。いずれ別の対策をご提案いたします。

【超高周波帯(UHF電話用)で使うエプロン】
 携帯電話やスマートフォンのUHF帯の電磁波の場合、腹部の被曝による障害として、胎児への影響、第2次性徴期の女子、および男性の精子濃度の低下が有ります。頭部の被曝による障害では、脳腫瘍が大きく取り上げられていましたが、最近は胎児から生後6歳までの携帯電話の電磁波被曝による、小児の発達障害にも疫学的証明が行われ、注意が喚起されています。被曝による発症確率は数%に達します。
これまで、妊婦用には弊社の電磁波吸収体のアイ・ピピを製品としてご提供していました。小児用には、ウェーブセーフを使えますが、その前に小児に対しては、母親の注意が一番で、なるべく電話を使わないことが大事です。それでも、おじいちゃまやおばあちゃまとの会話は、情操教育の観点からはむしろお進めしたいところです。この時は、イヤホンマイクか、ウェーブセーフか、どちらかをお使い下さい。
このUHF帯でも妊婦用の腹帯やエプロンが市販されています。インバーターなどの低周波帯では、特別な材料を使ったエプロンで磁界をエプロンで迂回させて身体内への侵入を防げました。しかし、UHF帯では波長が短く体と同じかそれより短くなるので、低周波と状況が大きく変わります。波長の方が人体のサイズよりも長いVHF帯以下は、シールドの裏側には電磁波は入りません。ところが、UHF帯でも人体に比べて波長がはるかに大きい10GHz以上では、電磁波にとって人体は空間インピーダンスが空気とは異なるので、電磁波は反射されます。電磁波は人体には入り込みません。このあたりの周波数から反射するので、レーダーで人体を検知できるのです。
VHF帯の上限の300MHzあたりから10GHzは、取り扱いが厄介です。携帯電話が使う300MHz~2GHzの電磁波は、波長が38cm~15cmです。エプロンをシールド用に使う時に気を付けなければならないのは、波長が短いUHF帯以上の超高周波電磁波のシールドの裏側への回り込みについてです。エプロン、つまりシールド方式の電磁波遮蔽は、空間の電磁波の伝搬特性をゆがめて、反射あるいは迂回をさせるか、シールドに磁界を呼び込んで通路を作って身体に入らないようにします。後者がLF帯用の鉄を使った場合で効果が有ります。電磁波は、切れ目が有ると、切れ目から後ろの波長程度の距離で電磁波は元と同じになります。波長が数100mの低周波であれば、回り込むのは身体の有る所よりも数100mかなたですが、数10cmのUHF帯では身体の有る所で回り込んでしまう訳です。

下の図は3/4円筒にエプロンの形状を仮定単化して、人体の内部に電磁波が侵入する様子を示します。電磁波は前方から到来し、エプロンの前で反射あるいは迂回し、エプロンの端に集まってから、回折して身体内に入ります。この様に、身体の前半分だけを覆う軽快なデザインのエプロンでは、体の真ん中から後ろ側にはエプロンの端を回りこんだ電磁波が身体内に侵入しています。シールドに遮られて電磁波が侵入しない深さは到来する電磁波の2分の1から1波長程度でしょう。腹帯も帯の上と下から回り込んでお腹の中心に電磁波は侵入して、思ったほど効果は無いでしょう。昔の重いエプロンを使っても波長の短いUHF帯電磁波には軽いエプロンと同じことで、効果は見込めません。
 


下左の図はエプロンでは無くて、シールド帽子と称する頭部を携帯電話の電磁波から保護する目的で市販されている商品ですが、身体の場合と同じです。到来した電磁波は、帽子の縁で回折して防止の中に入り込み、困ったことに内部で反射して一瞬だけ閉じ込められます。
 下 右の図はシールド帽子をかぶって携帯電話で通話した時です。もともと携帯電話の電磁波の波長と頭のサイズが近いので、電磁波は頭を経由して基地局に向かっ て送信されます。シールド帽子をかぶると、さらに内部で反射をするので、嫌な感じになります。ウェーブセーフを使って頭へ行く電磁波を手に方向を変えて も、さすがに敵わないのではないか、と思います。





【まとめ、エプロンは不要】
10年以上昔のブラウン管型ディスプレーCRTが無くなり、最近の液晶ディスプレーは普通の生活環境程度の磁界しか出さないので、エプロンは不要です。現在、1MHz帯で磁界をだすのは、IH調理器、エアコンの室外機や電子レンジや冷蔵庫の電源部のインバーターです。これらには、IH調理器では調理中にかなり近寄るので、磁界を閉じ込める鍋やフライパンを使いたいです。エアコンの室外機は長時間でも3m以上離れていれば対策は不要です。
それでも、どうしてもIH調理器の出す磁界を遮蔽したい場合は、昔のエプロンの様に鉄粉を多く含む材料の厚くて重い、心臓ペースメーカー使用者用のエプロンを使います。これならば効果が有ります。ただし、スズなどの金属をコーティングした繊維、あるいは気持ち程度磁界を遮蔽する銀コートの繊維で作る、軽くて着心地の良い材料で作るエプロンは電界を遮蔽できるだけで、IH調理器やインバーターの磁界による低周波磁界には効果がありません。重いエプロンでなければ役に立ちません。

【電磁波遮蔽蚊帳、遮蔽カーテンについて】
 携帯電話の基地局対策用、などと称して、電磁波遮蔽用の蚊帳やカーテンが市販されています。これ等は電磁波に対して体を隠すことが出来ず、蚊帳やカーテンの上や上下から回り込んでしまいます。上下を塞いだつもりの蚊帳でも、数mmの隙間が有ると内側に入り込みます。カーテンはもってのほかです。それよりも、コンクリート壁と、都市住宅では当たり前の防火用の網入りガラス、それにステンレス製の網戸、と言う今使っている普通の建材で十分です。